注:この作品は、『女王様入門(前編)』の続きです。先に『女王様入門(前編)』をお読みください。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 奴隷男はようやく澄香と翔子、2人の履いているブーツの靴底を舐め終わった。今回彼は、澄香と翔子の2人の女王様から調教を受けている。2人女王様といえばうらやましく聞こえるが、実際のところ澄香は全くの素人。女王様初体験である。そのため、彼は澄香の女王様入門の練習台として使われている状況だった。 靴底を舐めるのもその素人女王様、澄香が言い出したこと。それなりに女王様経験を積んでいる翔子は、プレイ用の真っ赤な膝上のエナメルロングブーツを履いている。プレイ用なので基本的に屋外は歩かないため靴底もさほど汚れてはいない。これに対して澄香は自前のブーツだ。ブーツは毎日履き続けて靴底が磨り減っている。靴底の凹部には、何かを踏みつけた残骸と思われるものがこびりついていた。彼はその得体の知れないものを舌だけではがし取り、それを飲みこまなくてはならなかった。 『今日はお腹を壊すかも知れない。』 口の中や喉に残る違和感、異物が入ってきたことによる胃の拒絶反応。頭では飲みこまなくてはならないと分かっていても、身体は生体防護反応として危険信号を発していた。 「翔子様、澄香様、私めのような卑しい奴隷のために、その高貴なブーツの靴の裏まで舐めさせていただき、本当にありがとうございました。」 彼はまたまた土下座をしてお礼を述べた。 翔子は舐めてもらってきれいになったブーツの靴底を覗きこむ。澄香もまねして自分の靴の裏を見た。靴底は磨り減ってこそいるものの、汚れ一つなく新品のようにぴかぴかになっていた。 「すごい。」 自分が軽い気持ちで発した命令に、ここまで忠実に従う男の姿に澄香は正直驚いていた。 「じゃあ、最後はお楽しみ、踏みつけ大会よ。」 翔子が立ち上がる。そして、土下座のため床についている手をブーツで踏みにじった。 「お前が舐めてきれいにしたブーツで、踏んであげる。さあ、仰向けになりなさい。」 翔子は男の手の上から降りると、わき腹を軽く蹴り上げた。男は倒れこむように仰向けとなった。 仰向けになった男のお腹の上に翔子はブーツを乗せる。翔子の履いているのは、真っ赤な膝上のエナメルロングブーツ。ヒールの高さが10cmほどあるのに、ヒールの先端は直径数ミリしかない。その鋭く尖ったヒールが彼のお腹に食い込む。翔子は少しずつ体重をかけていき、そしてついに両足で乗ってしまった。 男は油汗を浮かべ、苦痛に顔をゆがめながらも必死で耐える。それもそのはず。ブーツのヒールは数センチもお腹の肉にめり込んでいる。見ているだけでも痛々しい。 翔子はその場で慎重に足踏みを始める。片足を持ち上げると、もう一方の足に全体重がかかる。その重さが直径わずか数ミリのヒールを通して彼に伝えられる。翔子の足を守ってくれるブーツも、彼にとっては恐ろしい凶器でしかなかった。 翔子は足踏み状態から今度はゆっくりと歩きはじめた。彼の胸部へと歩みを進める。一歩間違えればあばら骨が折れる危険がある。その限界ぎりぎりの恐怖を彼は味わっていた。 彼のお腹から胸にかけて歩いた後、翔子は一旦彼の体から降りた。彼の胸からお腹にかけては、直径数ミリのヒールの痕が無数に残された。 「あはは。素敵な模様ね。ロウソクよりもきれいよ。」 翔子が笑う。 「じゃあ、次は澄香の番だね。乗ってみなよ。」 翔子が澄香の手を取る。 「結構安定悪いから気をつけて。こんなところで転んで足を挫いたりしたら、いやでしょ。」 「うん、わかった。」 澄香は慎重に片足を男のお腹の上に乗せる。続いてもう片方の足も乗せ、両足で彼のお腹の上に立った状態になった。 「なんかすごい不思議。柔らかいというか…。」 さんざん舐めさせたブーツで、彼の上に乗っているのだ。ブーツを通して感じるお腹の柔らかさが、何か踏んではいけない大切なものの上に乗っているような気にさせた。 「少し歩いてみなよ。胸のほうに。」 翔子に促されて澄香はおそるおそる胸のほうへ移動した。澄香のブーツは翔子ほどヒールが高いわけでも尖っているわけでもないが、足元が非常に柔らかく、しかも小刻みに振動するので、うっかりすると落ちてしまいそうだ。落ちないためにはどうしても足を踏ん張らなくてはならない。力を入れるとそれだけブーツが食い込み、より強い苦しみを彼に与えることになる。澄香の一歩一歩が彼に苦痛を与えていると思うと、不思議な気分だった。電車の中で足を踏まれただけ痛いのに、お腹や胸を全体重で踏まれているのだから、その傷みは足を踏まれた時の比ではないだろう。 「あたしも、乗ってみよう。2人踏みプレイよ。どうかしら?」 翔子が言いながら、彼のお腹の上に乗る。翔子の鋭く尖ったヒールが彼のお腹の肉に食い込む。彼は痛さのあまり顔をしかめた。 「このまま2人で足踏みしようか。それ、1、2、…。」 澄香と翔子は、彼の上で元気良く足踏みをする。うっかりするとバランスを崩しそうになるが、そのたびに足を踏ん張って落ちるのを免れている。もはや、足を踏ん張るとその分彼の痛みが増す、などという事は澄香の頭の中にはなかった。ただ、自分の普段履いているブーツで一人の男を踏みながら歩いているという優越感にどっぷりと浸っていた。 「ねえ翔子。顔にも乗っていいの?」 澄香が尋ねる。2人で足踏みもそろそろ飽きてきたので、何か新しいことをしたくなったのだ。女王様という現状が楽しくて、足元で苦しんでいる男に対する思いやりなど全くなかった。 「顔ねえ、うーん、まあ、その靴なら大丈夫かな。いいよ、乗ってみなよ。」 翔子が迷った末にOKを出した。 「どうしたの、翔子?ノリが悪いけど。」 澄香が尋ねる。 「顔ってちょっと危険なのよ。ほら、あたしみたいなヒールの高いのを履いてると、うっかり目なんか踏んだら穴あいちゃうからね。でも、澄香のはヒールも高くないし、尖っているわけでもないからたぶん大丈夫なんじゃない。思いきって乗ってみなよ。」 「わかった、やって見る。」 澄香は足を彼の顔の上に乗せようとした。だが、たまたまその時、彼と目が合ってしまった。 「やだあ、あたしのパンツ見ようとしてる!」 澄香が声を上げる。 「何言ってるのよ。さっき女王様の衣装に着替えたでしょ。スカートの下に水着みたいのがついているでしょ。あれ着てれば、絶対に下着なんか見えないってば。」 翔子が言う。 「でも、なんか、へんな気分。下から見られるなんて。」 澄香がわがままを言う 「じゃあ、お仕置きしたら?澄香は女王様なんだから、何やったっていいのよ。お仕置きで顔の上に乗ればいいよ。」 「言われなくても今からするところ。」 澄香は、ブーツを履いたまま彼の顔面に立った。一人の男の顔面に、靴を履いたまま立つなどということは、通常では絶対にありえないことだ。それだけに、それをした時の優越感は言葉には表せないものがある。 しかし、澄香が最高級の優越感をかみしめているという事は、一方で彼は最悪の劣等感に打ちひしがれていることだろう。年下の経験の浅い素人同然の女の子に、靴のまま顔を踏まれるのだから。翔子のブーツのようにヒールが尖って危険ということはないが、やはりそれでも固い革のブーツである。靴底の凸凹が彼の顔に食い込み、複雑な模様を刻みこんだ。 「ねえ、結構足跡が残っているんじゃない?」 澄香が足下の男から降りた。これは、彼を気遣ってのものではなく、自分のブーツの靴跡がどれだけきれいに残ったのか興味本位で見てみたかっただけなのだ。 「ぷっ、いやだあ。すごいきれいに残っている。」 男の顔を見た澄香は思わず吹きだした。それだけ見事に靴跡が彼の顔面には残っていたのだ。外を歩いて汚れたブーツ。今まで何人もの男を小さくして踏み潰してきたブーツ。そして、靴底の汚れを奴隷男に舐めさせてきれいになったブーツ。そのブーツの靴跡が今度は奴隷男の顔面に刻みこまれたのだ。 「澄香って、重いから。」 いつものように翔子がからかう。澄香がすぐに反論する。 「そんなことないよ。最近太らないように気をつけてるもん。それより、翔子も顔に乗ってみたら?」 「あたしはいいよ。それよりほら、お腹のヒールの跡見てごらん。」 翔子も男の腹から降りた。彼の腹には翔子の履いているブーツの細いヒールの跡が2つはっきりと残っていた。その様子は見てるだけで痛々しかった。 その後も2人は男性器も含めて彼の全てを踏み続けた。2人にとって、彼はもはや人間ではなく、ただの床でしかなかった。 面白い踏みつけプレイも、長く続けていると飽きてくる。 「最後は、とどめ。全身踏み潰しね。澄香、出番だよ。」 翔子が言う。いよいよ彼を小さくして踏み潰すのだ。 「踏み潰すのはいいんだけど、後で大騒ぎになったりしない?あの人の行方を知っているかと疑われたりするといやだな。」 澄香得意の自己中心的発想が始まった。彼の生命よりも、自分の平穏な生活の方が大事なので、自分達が彼を踏み潰したことがバレて大騒ぎになるのがいやなのだ。 「大丈夫だって。今から女王様にいじめられに行きます。なんてことは、普通の人は誰も言わないって。こっそり出てくるから、誰もあいつがここに来たとは思わないよ。」 「良かった。じゃあ、やるね。」 澄香は縮小光線銃を取り出した。 2人が会話している間も彼は土下座をして、額を床に擦りつけている。澄香と翔子の会話から何かが起きることは想像ついたが、畏れ多くて顔を上げて2人の女王様を直視することはできなかった。 「じゃあ、いくよ。」 そんな彼に、澄香は容赦なく光線銃を照射した。まぶしい光が彼を包み込むと、彼は100分の1に縮められた。 「顔を上げなさい!」 奴隷男に翔子が命令する。男は、恐る恐る顔を上げて、そして何が起きたかわからずにそのまま凍りついた。 ついさっきまで自分を調教してくれた女王様の姿はなく、代わりにとてつもなく巨大な4本の柱がそびえ立っている。その巨大な柱が、ついさっき自分が舐めてきれいにした女王様たちのブーツだと気づいた時、彼は自分の身に起こった異変に気がついた。 「どう?100分の一に縮めらた気分は?」 翔子が残酷な笑みを浮かべる。 「お前は踏まれるのが好きでしょ。だから、最高の踏みつけをしてあげるわ。嬉しいでしょ。」 「はい、ありがとうございます。」 奴隷の習性で、彼は土下座をしてお礼を述べた。痛めつけるが殺しはしない、というプレイの基本を彼は信じていたのだ。 というよりむしろ、踏み殺されるという心配以前に、彼は自分が本当に小さくなったことすら信じられなかった。プレイ中は一種の精神的興奮状態にある。そのため、興奮のあまり幻覚として自分が小さくされたように感じているだけだと思いこんでいた。 「何、ボーッとしてるの?お前はその小さい体で私達の全体重に踏まれるの。でも、お前の体は小さいから耐えられるかしら?」 翔子が男を見つめる。男は催眠術にはまったかのように澄んだ目をして2人の女王様を見上げた。 「翔子様に踏んでいただけるのなら、光栄です。私めのような卑しい奴隷にとって、翔子様の神聖なるブーツで踏んでいただけるなんて夢のようです。もちろん、どんなに辛くても耐えてみせます。万が一踏み潰されても、神聖なるブーツの靴底だけを汚さないようにいたします。」 小さな彼はそう言うと、土下座して額を床にこすりつけた。 「ふーん。じゃあ、踏んであげる。」 翔子はブーツのつま先を彼の上に軽く乗せた。 翔子にとっては軽く乗せただけだが、小さな彼の背中にはとてつもない負荷がかかり、激痛が走った。 「痛い!」 彼は叫び声を上げて、現実の世界に引き戻された。このプレイは危険が多すぎる。もう少し力を加えて踏まれれば死んでしまう。我に返った彼は叫んだ。 「お、お許しください、女王様。もう耐えられません。」 彼の叫びが通じたのか、背中にのしかかっていたブーツが離れた。翔子がブーツをどかしたのだ。 「何よ、奴隷のくせに情けないわね。踏まれるの好きなんでしょ。」 「はい。でも、小さな私めにとって女王様は大き過ぎます。このまま踏まれたら、潰されてしまいます。」 「そうよ。だって、お前を踏み潰すのが目的だし。」 冷たく翔子が言い放つ。彼はがく然とした。こんな所で踏み潰されて死ぬわけにはいかない。だが、翔子は容赦なかった。 「今度はヒールで踏んであげる。」 翔子は彼の腕を細いハイヒールで踏みつけた。直径わずか数ミリのヒールは、彼の視点から見ると直径数十センチの巨大な柱だ。その柱が彼の目の前で、土下座のためについている腕を覆った。そして、次の瞬間激痛が走り、腕の感覚がなくなった。翔子が体重をかけて彼の腕を踏み潰したのだ。 翔子のヒールは小さな彼の目から見ても、紙1枚入る隙間もないくらいに地面と密着していた。この下で自分の腕が潰されているのだ。彼は、巨大なブーツの威力に恐れおののいた。 「どうかしら?ヒールで踏まれた気分は?」 翔子がブーツをどかす。潰された彼の腕は、一瞬ヒールの靴底にくっついて持ち上がったが、すぐにはがれ落ちた。彼の腕は紙のように薄くなり血で赤く染まっていた。もはや腕の感覚は全くなく、目の前で紙のように薄くなったものが自分の腕だったということが夢のように感じられた。 「ふふふ。少しずつ踏み潰していくのって、最高!今度はどこがいい?頭かしら?それとも胸かしら?」 翔子はいつになく興奮して、残酷さを増している。翔子の巨大なブーツの影が彼の頭上を覆った。靴底の影に入った彼は、覚悟を決めた。 「ちょっと、翔子。一人で楽しまないでよ。」 絶体絶命の彼のピンチを救ったのは、澄香だった。 「小さくしたのはあたしよ。あたしにも少しは踏ませてよ。」 「あは、ごめん、ごめん。つい夢中になっちゃって。いいよ。とどめは澄香が刺しなよ。」 「じゃあ、やるね。ほら、顔を上げなさい。」 澄香は男に顔を上げるように命令した。 「いくよ。」 呆然と見上げる男に、そのまま勢い良くブーツを踏み下ろした。「くしゃっ」というかすかな感触とともに、奴隷男は女王様によってその幸せな生涯を閉じることができた。 澄香はそのままブーツでぐりぐりと踏みにじった。さんざん女王様として彼をいたぶった後なので、自分が踏み潰したものに対する罪悪感はなかった。 足をどかすと、彼はブーツの靴底の凸凹に挟まったのかその残骸はなく、かわりに赤いシミが残るだけだった。 「やだあ、汚い。靴底にくっついちゃった。」 澄香が顔をしかめる。 「ひどいなあ。さんざんいじめた上に踏み潰しておいて、『汚い』なんて。」 翔子がつっこむ。 「だって〜。このブーツお気に入りよ。翔子のと違ってあたしのなんだから、汚れるといやなのよ。」 「はいはい。どうせ靴の裏なんだから、歩いているうちにとれちゃうって。気にしない、気にしない。」 「そうね。」 澄香の顔にもようやく笑顔が戻った。 「さて、プレイも終わったし、帰ろうか。」 2人はプレイルームを後にした。 「あら、終わったの?奴隷君はどうしたの?」 戻ってきた2人に、受付の女性が尋ねる。 「急ぐから、先に帰るって。」 翔子が答える。 「ふーん、そうなの。」 彼女はそれ以上男のことを尋ねはしなかった。大事なお客様である奴隷の身分とは、この程度のものである。 「男の人をいじめるの楽しかったでしょ。また、気が向いたら遊びに来てね。」 受付の女性に見送られ、二人はプレイの余韻の残る空間を後にした。 |