注:この作品にはクラッシュはありません。クラッシュシーンをお求めの方は、読み飛ばしてください。また、「第1話」から「第10話」までを読んでいない方は、先にそちらをお読みください。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 翔子:どもっ!主役の前島翔子でーす。 澄香:ちょっと待ってよ、知らない人が勘違いするでしょ。主役はあたし、風祭澄香です。 翔子:いいじゃない。あたしの方が人気あるんだから、主役交代しない? 澄香:ダメ。翔子の方が人気あるなんて嘘でしょ。 麻紀:いいえ。作者に宛てられるメールでは、翔子のファンが多いそうよ。 澄香:あっ、麻紀さん。 麻紀:自己紹介が遅れました。澄香のいとこで麻紀と言います。一応、人間を小さくする光線銃を作った開発者ということになっています。 翔子:というわけで、今回はこの3人で勝手に過去の作品を見ていきます。 翔子:まずは最初の作品、「45歳課長」から。澄香に小さくされて駅のホームに放置された「45歳課長」が、踏み潰されるまでを描いた作品ね。 麻紀:これは、作者のこのシリーズのはじめての作品です。作者は別の作品で先にネットデビューしてますので、被害者名をタイトルに持ってくるのもその名残です。このシリーズがこんなに長く続くとは作者も思わなかったようで、登場人物に名前さえつけていません。 澄香:本当だ。この「お嬢様系の女子大生」ってのがあたしね。男の側に立って描かれているし、だいぶ雰囲気違うね。 翔子:お嬢様系ねえ…。(笑) 澄香:何がおかしいのよ? 翔子:いや、澄香も最初の頃とずいぶんキャラクターが変わったんだなあって。 澄香:変わってないってば。 翔子:確かに。間違って無実の人を小さくしちゃうような、ドジなところは相変わらずだね。 澄香:この時は、こいつが犯人だと思ったの!それにあたしが踏み潰したわけじゃないし。 翔子:すぐに殺されずに大勢の人に徐々に殺されていくのはかえって残酷じゃない。おまけに、踏んだ人に気づいてもらえないなんて。何もしていないのに踏み潰されちゃったなんてかわいそうな課長さん。 麻紀:痴漢の冤罪の被害者が殺されることによって、痴漢撃退の道具や、護身用の道具も使い方を間違えると大変なことになるというメッセージを、作者は入れようとしたそうです。 澄香:ふーん。それより、この話には翔子まだ出てこないじゃない。まさか、最後に踏み潰したギャル系厚底ブーツ女って翔子のこと? 翔子:まさか。そんな人いくらでもいるじゃない。それよりあたしが出ないと、やっぱりつまらないね。次、行こう。 翔子:2作品目は「某大学の体育会」。襲ってきた体育会系の男2人を、澄香が小さくして踏みにじるという話ね。 麻紀:「45歳課長」とは違い、澄香の正当防衛が成立しています。澄香の名前と通う学校名が決まったのもこの作品からです。 澄香:この時は本当に怖かった。殺されるかと思った。 翔子:夜道は気をつけないとだめだよ。(笑) 澄香:襲ってくる方が悪いの! 翔子:澄香ってスキだらけだからね。それよりあたし達の行っている「平成女子大学」って、こんなに無名なところなの? 澄香:まあ、翔子も入れるくらいのところだからね。 翔子:言ってくれるじゃない。あんただってここしか入れなかったくせに。 麻紀:最近は生徒数が減少したため誰でも簡単に入れるような大学が増えているので、そのような大学をイメージしたそうです。ですから万が一でも同じ名前の学校があっては困ると、作者はわざわざ同名の大学がないか調べたそうです。あと、この作品は1作目とは違い意識的に被害者を踏みにじってとどめを刺しました。 翔子:では、次。3作品目の「合コンのあとに」。 澄香:待った!良く考えたら、何であんたが仕切っているの? 翔子:いいじゃん。澄香が仕切ると話が進まなさそうだし。それに、これがあたしの初登場の話だから、あたしが紹介しないと。 麻紀:そのことだけど、実は、作者はこのシリーズを三部作で終わらせようと考えていたらしいの。 翔子:ええ!? 麻紀:その証拠に、まだ翔子ちゃんの名前が出ていないでしょ。澄香が名もなき親友を小さくて踏み殺して、後悔する。そして光線銃を2度と使わないと誓い、封印する。こんなシナリオを考えていたらしいです。それが突然気が変わったらしく、話を続ける事にして今のように描きかえられたわけです。 澄香:危なかったわね、翔子。作者の気持ちが変わらなかったら、名前すら出されずに踏み潰されていたのよ。助けてあげた私に感謝することね。 翔子:うん。でも感謝するのは澄香じゃなくて、作者の気持ちを揺り動かした、励ましのメールを送った人々にだと思うな。 澄香:ぎくっ。とにかく、エッチ目的で合コンに来た連中を小さくして踏み潰す、という話だったわけよ。 翔子:せっかく合コンのあとの2次会に誘ってくれたのに、澄香ってば、合コンを遊びとしか捕らえていないから。 澄香:普通そうでしょ。 翔子:もったいなかったなあ、あの男の子たち。踏み潰さなければ今頃は玉の輿…。 澄香:とりあえず、次、行こう! 翔子:4作品目、「ストーカー」ね。いよいよあたしの名前が出てくるのね。 麻紀:この作品は、ストーカーに付け狙われた翔子ちゃんが、逆にストーカーを小さくして踏み潰す作品でした。 澄香:ストーカーされるきっかけがいかにも、翔子のキャラが炸裂って感じ。 翔子:男に買ってもらったブーツでその男を踏み潰す。女に生まれて良かったと思う瞬間だったなあ。 麻紀:ぶっ飛びキャラで「翔子」。翔子ちゃんが澄香のパートナーとしてこんなに活躍するとは作者も考えていなかったようで、非常に安易な名前のつけ方です。内容は、ストーカーには厳罰をという社会の流れにのって描いた時事ネタの作品です。踏み潰しただけじゃ飽き足らず、最後に被害者を何度も踏みにじる翔子ちゃんが印象的でした。 澄香:このあたりから、翔子が目立ちはじめたのよね。 翔子:あたしの人徳ってやつよ(笑)。次の作品に行こうか。 澄香:5作品目は「勘違い」です。 麻紀:澄香たちの通う平成女子大に侵入した2人の被害者が、痴漢と間違われて踏み潰される話です。この作品で初めて被害者の男性に名前が付いています。この名前は、特に意味はないそうですけど。 澄香:相変わらず翔子、ぶっ飛んでいるね。 翔子:それより、この作品じゃあたし達まるっきり悪役じゃん。 麻紀:大丈夫よ。澄香たちを非難する意見は一切来なかったらしいから。 澄香:良かった〜。 翔子:男子禁制の女子大に勝手に入ってくるほうが悪いのよ。踏み殺されても仕方ないってところね。 澄香:それにしても気に入った男だけ助けて、もう一人は有無を言わさず踏みつけるなんて、翔子って残酷…。 翔子:あら。「痴漢には罰を」って言い出したのは澄香だし、あたしが助けようとした男にも、「絶対にこいつは助けちゃだめなの。」ってとどめを刺したのも澄香よ。 澄香:だって、あいつら痴漢よ。許せるわけないじゃない。 麻紀:でも結局、踏み潰された2人は無実だったというオチがあるわけですけどね。男の人は痴漢や変質者と間違われることが多いので、気をつけて行動しましょう。 澄香:次は6作品目。「セクシャルハラスメント」です。 麻紀:あるOLの依頼を受けてセクハラ上司を小さくして懲らしめる、という話でした。 翔子:これはあたしが持ってきた「仕事」ね。あの時の浦霧さんどうしているかな? 澄香:あの後、全く連絡とっていないの? 翔子:うん。さすがに光線銃の秘密をこれ以上知られるのが怖かったからね。浦霧さんも約束を守って、あたし達がセクハラ上司を小さくしたことをしゃべらなかったみたいだし。 澄香:それより翔子、なんで勝手に他の人に光線銃の秘密をしゃべっちゃったのよ。 翔子:あは、ごめん!でも、この時は殺すつもりはなかったんだってば。小さくした上司を浦霧さんが脅しつけることによってセクハラをやめさせるつもりだったのに、浦霧さんが暴走して踏み潰しちゃうんだもの。 麻紀:この時OLの浦霧さんが履いていたのはハイヒールでした。30歳くらいのOLのハイヒールよりも、20歳前の子のブーツで踏んで欲しいという意見が作者に寄せられたそうです。 翔子:うれしい意見ね。あたし達の人気も上がってきたということね。 澄香:7作品目は、「オヤジ狩り」よ。 麻紀:オヤジ狩りをする悪い少年達を澄香達が小さくして懲らしめる、という話なら良いのですが、ちょっと違いますね。 翔子:でしょ。あたしもそう思う。一度はオヤジ狩りを見逃そうとしたのに、自分が襲われそうになったらやっぱり許さないなんて。 澄香:人間ってそんなもんでしょ。自分に被害が及ばない限り、被害者のこと真剣に考えないもの。それに、結果的に悪い事した連中に罰を与えたんだからいいじゃない。 翔子:まあね。でも、この時はせっかく大量踏み潰しのチャンスだったのに、あたふたしてゆっくり踏み潰せなかったなあ。 澄香:勢いで踏み潰しちゃったし、最後は人が来て大急ぎだったしね。 麻紀:翔子ちゃんたちには、反省する少年達に罰を与えてから、痛めつけながらゆっくりと踏み潰して欲しかった、という意見が寄せられたそうです。 澄香:では、次。8作品目、「こびと達の願い」です。 麻紀:今まで問答無用で小さくした男たちを踏み潰してきましたが、この話で初めてこびと達の希望通りの殺し方をします。 翔子:この時は落ちついて一人ずつ始末できたなあ。光線銃をこんな感じで使うのも悪くないんじゃない? 澄香:まあね。でもこびととはいえ、エッチな男の願いはお断りよ。 翔子:そうそう。思うんだけど100分の一の大きさだと、どうしても踏むと1回で終わりじゃん。体の半分だけ踏んでこびとを苦しませるなんてのは無理なんだよね。 麻紀:100分の一という大きさは、第1話のように踏む人にも気づかれずに踏んでもらえる大きさで、さらに踏み散らされているうちに跡形もなくなってしまうような大きさにしたかったからです。死体の後始末の問題もありますし。それに作者は死体描写が苦手なようですから。 翔子:良いこと聞いた。今度男を小さくしたら、ぐちゃぐちゃに踏みにじってその様子をじっくりと観察しよう!作者はどんな描写してくれるかな? 澄香:ちょっと、翔子ったら。 翔子:冗談だってば。(笑) 麻紀:ちなみに、「オヤジ狩り」の悪い事をした少年達の集団虐殺と、「こびと達の願い」の男の願いを聞き入れるというのは、いずれも読者の励ましのメールからアイデアを参考にしたそうです。 澄香:じゃあ、第9話。「露天風呂のマナー」です。 麻紀:水着で混浴風呂に入ったことを注意された澄香達が、逆ギレして注意した人を小さくして踏み潰すという話でした。 翔子:狙ったかのようにエロ男が入って来るんだもん。超むかついた。 澄香:だいたい、なんで水着で温泉に入っちゃいけないの? 麻紀:衛生面の問題があるからよ。水着には乾燥してきれいになっていたとしても、汚れや伝染病のウイルスがついてことがあるの。それが温泉のお湯で繁殖して広まる可能性があるのよ。プールみたいにちゃんと消毒されている場所は水着を着て入ってもいいけど、温泉だとプールほど消毒が行き届いていないことが多いからね。 澄香:なるほど。 麻紀:難しい話はさておき、ブーツの靴底にこびとが貼りついたのはこの話が初めてでした。踏み殺された後もなお、何度も踏まれつづけて跡形もなくなるなんて最高、という意見も寄せられました。 翔子:あと、光線銃が澄香しか撃てないと知ったのもこの時だよね。あたしも光線銃を使えるようになれば、話はもっと面白くなるよ。 澄香:そうそう。で、出てきたのが第10話、「巨大化した澄香」でした。 翔子:これはちょっとやりすぎたな。澄香を小さくするつもりが大きくしちゃったもの。 澄香:そうよ。ひどいよ、翔子ったら。 麻紀:ひどいのは澄香の方じゃないかしら?巨大化した時に何百人踏み潰したのかしら?まあ、やっちゃったものは仕方ないけどね。 澄香:そうだけど、それより、この後の騒ぎをどう納めるつもりなのかしら? 麻紀:それは作者次第ね。もっとも、この先のことをちゃんと考えていたら、(番外編)を描いて次回作を描くのを延ばしたりはしないでしょうけど。 翔子:でも、光線銃が人間を100倍に巨大化するのにも使える事がわかったから、これからあたし達もっと活躍できそうだね。 麻紀:あまり無茶しないでね。次の話で、「警察にばれて二人とも死刑になりました。」なんてなると困るから。 澄香:それだけは気をつけないと。 翔子:というわけで、私達3人で澄香シリーズの作品のちょっとした裏話をみてきました。最後まで読んでくれてくれてありがとう! 麻紀:10作品までで、澄香が小さくして踏み潰した男の数は13人、第8話の冒頭で踏み潰された人も含めると14人になります。一方、翔子ちゃんが踏み潰したのは7人。そのうち1人は踏み潰しというより食べられてしまいました。そして、その他の人に殺されたのが2人となっています。もっともこの他に、澄香は巨大化した時に何百人も踏み潰しています。 澄香:あら、そんなに殺していたっけ? 翔子:これじゃあ、ばれたら絶対死刑だね。(笑) 澄香:良い子のみなさんは、真似しないでくださいね。 麻紀:とまあ、未熟な作者の作品なので至らぬ点が多いと思いますが、これからも読んであげてください。 澄香:私が光線銃をいつまでも使えるように、今後ともよろしくお願いします。 翔子:そうそう。私にファンレター送ってね!「主役を翔子にして。」なんての大歓迎! 澄香:あっ、ずるい。宛て先は翔子じゃなく、主役のあたし! 麻紀:勝手な事言っていますが、感想などは作者に送ってくださいね。「こんな話が読みたい。」という希望もお待ちしております。 翔子:それではみなさん、次の話でお会いしましょう。 全員:じゃあね〜! |