少女達のお仕置き(後編)

作:大木奈子

「注:この作品は、『少女達のお仕置き(前編)』の続きです。先に『少女達のお仕置き(前編)』をお読みください。

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 彼は25歳のサラリーマン。魔法で男を小さくできる少女、紺野絵梨佳に因縁をつけられて、地獄のようなお仕置きを受けている。今まで彼が受けてきた仕打ちは、お腹の上でジャンプする人間トランポリン、顔面踏みつけ、そして踏み潰したものを食べさせる、というような普通では信じられないような仕打ちだった。しかも、このお仕置きをしたのは、絵梨佳の他に相原晶子、村野彩美のいずれも中1の少女3人であった。
 彼にとって不運なことに、彼女達のお仕置きはまだまだ続くのだった。


「さっきジュースいっぱい飲んだから、トイレ行きたくなっちゃった。絵梨ちゃん、ちょっとトイレ貸して。」
 そう言って地下室から出て行こうとする晶子を、絵梨佳が引きとめた。
「トイレなら、ここに良いのがあるから使いなよ。ちょっと準備するから手伝って。」
 絵梨佳達はまず、部屋の隅の床に男を動けないように固定した。そして、手袋をはめると部屋の隅から巨大な漏斗のようなものを取り出し、細い側の先端を男の口に押し込む。あまりの大きさのため細い側の先端でも掃除機のホースくらいの太さがある。押しこむ時に歯が邪魔になったので、彼女達は漏斗の先端を何度か押し当て、男の歯を全部折ってから漏斗の先端を口の中へと押しこんだ。これにより、彼はしゃべることはおろか、口を閉じることさえもできなくなった。
 続いて巨大漏斗の上側に、便座のような座る台を乗せて、安定するように固定した。最後に男の周りをカーテンで覆って見えなくすると準備完了である。
「はい。トイレの完成よ。」
 にこにこしながら絵梨佳が言うが、晶子と彩美は信じられないものを見ているような表情をしている。
「トイレって、私達がそこの便座に座って用を足すんですよね。」
 彩美がようやく口を開く。
「そうよ。カーテンがあるから、見える心配もないし。こう見えても座ると意外と安定感あるわよ。」
 絵梨佳が答える。
「それは分かったけど、その、用を足した後のおしっこってどうなっちゃうの?漏斗を流れて、あいつの口の中に流れこむみたいだけど、その後って?」
 今度は晶子が尋ねる。状況からして、どうなるか想像はつく。だが、それを認めたくないので、心の中では絵梨佳の口から違う答えがくることを期待していた。しかし、絵梨佳の返事は晶子の予想どおりだった。
「決まってるじゃない。飲まないと窒息して死んじゃうよ。飲まないように一生懸命抵抗している姿を見るのも面白いけどね。」
「でも、おしっこでしょ。汚いんじゃ…。」
「うふふ、何言ってるのよ晶子。こいつはあたし達の靴の裏を舐めたのよ。外の公衆便所に入った時に、床にこぼれたのを踏んでるかもしれないのに。そんな汚い靴の裏を舐めることに比べれば、全然平気よ。」
「それは、まあそうだけど、なんか抵抗あるな。」
「知ってる?昔の人は長生きするために若い女の子の生き血を飲んだのよ。血もおしっこも似たようなものだから、こいつもきっと長生きできるよ。」
「似たようなものねえ?まあ、本当に飲ませても問題ないならいいけど。」
「気にする事ないって。だって、こいつは晶子に襲いかかった最低の男よ。どうなろうと知ったことじゃないよ。それより晶子、さっきから我慢しているんなら、さっさとやっちゃったら?晶子の次は、あたしも使いたいし。」
「そうね。もう限界だから、やっぱり使わせてもらうよ。」
 晶子は男の上に作られた即席便座を跨ぐと、カーテンを閉じた。

 彼はなす術もなく、来るべき屈辱の瞬間を待っていた。
 首謀者の絵梨佳と呼ばれる少女の指示で、3人の少女達は自分をぐるぐる巻きに縛り上げて動けないようにした。動けない彼を部屋の隅に移動させると、今度は巨大な漏斗の先端を口の中に押しこもうとする。しかし、漏斗は彼の口よりもサイズが大きいのでなかなか入らない。しびれを切らした少女達は、彼の歯をへし折り、漏斗の先端を口の中に押しこんだ。
 その後あろうことか、彼女達が彼を便器として使用すると言うのが聞こえてきた。話し合いの末、晶子と呼ばれる少女が最初に使うこととなった。周囲をカーテンで覆うと、彼女が漏斗の上に作られた便座に座ったようで、口の中に差しこまれた漏斗の先端にずっしりと重量がかかる。漏斗の先端がこのまま頭蓋骨を突き破りそうな重さとなって襲いかかり、彼に激痛を与える。漏斗が邪魔で彼女のお尻を見ることができないため、いつ尿が降り注いでくるのかわからないので、恐怖は何倍にも膨れ上がる。
「じゃあ、いくよ〜!」
 晶子の声が聞こえる。次の瞬間、
   シャー…。
 漏斗の上で水の放出される音がした。それからすぐに彼の口の中へ生暖かい液体が注ぎこんだ。
   ジョワー…。
 放出される水量が増してきた。それとともに、彼の口の中へと注ぎこむ液体の量も増えてきた。飲まなくては窒息死してしまうだろう。だが、喉は異物である少女の液体に対して拒絶反応を示している。
   シャー…。
 ようやく流れ出る液体は勢いを潜め、やがて、その流れを止めた。だが、彼の口の中には少女の体から溢れ出た液体がいっぱいに詰まり、さらに口の中へと差し込まれた漏斗にも溜まっている。その液体の量がどれほどなのか彼には見えないので、このまま窒息死してしまうのではないかと恐怖を感じた。
  ごくっ。
 抵抗を続けていた彼の喉が、息苦しさに負けて、ついに少女の体から出た液体を一口飲みこんだ。しょっぱいような汗のような味がする。なんといっても排泄物の強制飲尿である。いままでさんざんひどい仕打ちを受けてきたが、精神的にはこれが一番残酷な扱いだ。彼女達にとっては、彼はもう人間ではなく便器にすぎないのだから。
 一旦喉を通ってしまえば、あとは次から次へと尿が喉を通り、胃袋へと収められていく。通常では決して飲めないようなおいしくない液体であったが、息を吸うためには飲み干さなければならないので、口の中に溜まっていた分を無理して全て飲み干した。全部飲むと、喉の奥から尿の臭いが立ちこめて、吐き気がこみ上げてきた。

「あー、とりあえずすっきりした。」
 晶子がカーテンを開けて出て来た。
「こいつの口の中につながっていると思うと、なかなか出しにくかったけど、一応全部出たからいいや。」
 晶子が晴れやかな顔をする。人間としての存在を否定され、屈辱の極みにいる男とは対照的なすがすがしい表情だった。
「ところで絵梨ちゃん。こいつ、本当に飲んだの?」
 怖いものでも見るように晶子が尋ねる。
「こぼした様子はないし、喉も動いてたから、便器に残っていなければちゃんと飲み干したと思うよ。」
 絵梨佳が答える。
「やだあ、信じられない。本当にすごく汚いでしょ。こんな、他人のおしっこを口にするような男とさっき戦っていたなんて。」
「汚いって言ったらかわいそうよ。あたし達みたいな美少女のおしっこを飲めるなんて幸せね、って言ってあげないと。」
「いや、さすがにあたしは、絵梨ちゃんみたいにそこまで言えないよ。」
「うふふ。まあいいや。次はあたしの番だけど、大きいほうをしたくなっちゃったな。ちょっと時間かかりそうだから、彩美が先にやんなよ。」
 絵梨佳が彩美に話を向ける。急に話を向けられた彩美は戸惑う。
「ええ!?私がですか?」
「そうよ。先に使っていいよ。」
「でも、なんか恥ずかしいですよ。あたしの出したのが、男の人の体内に入るなんて。」
「自分だけやらないで逃げようってのは無しだよ。」
 晶子が釘をさす。
「わかりました。でも…。」
「いいから、あとがつかえているんだから、早くやりなってば。」
 絵梨佳は、彩美を便座に座らせると、カーテンで覆って見えなくした。

 再び男の口にささった漏斗に重量が加わる。晶子の尿をやっとの思いで飲み干して一息ついた彼に、再び恐怖の時が訪れた。
 口を閉じることもできず、流れこんでくる尿を待つだけの時が流れる。思い出すのも嫌な、おぞましい液体が再び口の中へと注ぎこまれるのを待つ。
   シャー…。
 という音がして間もなく、生暖かい液体が彼の口へと注ぎこまれた。今度の子は、さっきの子とは違う味がする。尿の味も一人一人個性があるのだろうか?
 そんなことを考えているうちに、彼はたいした抵抗もないまま彼女の尿を無意識のうちに飲んでいた。人間としての尊厳を保とうとしていた晶子の時とは違い、彩美の時はあるがままに便器としての人生を受け入れようとしていた。

「絵梨佳さん、終わりました。」
 カーテンを開けて、彩美が出てきた。
「すごくやりにくかったですよ。男の人の上で用を足すなんて。いくら相手が悪い人とはいえ、本当にこんなことしていいのかなあって。」
「彩美はこれだから、周りが見えなくなって孤立するのよ。周りの子がやっている場合は、自分もそれに合わせるものよ。それに、こいつは嫌がりもせずに飲んでいたから、安心していいわよ。」
 絵梨佳に言われて彩美はおとなしくなる。
「さて、じゃああたしの番かな。ちょっと匂うかもしれないから、2人は外に出てさっきのお菓子を食べててもいいよ。」
 絵梨佳はそう言うとカーテンの向こうに消えていった。晶子と彩美は、お菓子を持って地下室の外に出た。

 便器にされた男にとって、3人目の少女が腰をかけた。触ることはおろか、見ることすら許されない少女の下の口から出される排泄物を口にする。そのことだけが彼が生きるために許された唯一の手段である。少女達とのあまりの落差に、これは生まれ持っての身分が違うのではないかという気持ちさえしてくる。尊い身分の少女達が、卑しい自分のために、最高の贈り物として排泄物を与えてくれる。自分は便器にされて人格を奪われたのではなく、生まれ持っての身分の違いがそうさせているだけなのだ。彼はそう思い直すことで、自分がまだ人間であるという尊厳をかろうじて保っていた。
 先の2人の少女達と同様に、彼の口に少女の体から出た尿が流しこまれた。卑しい自分に高貴な彼女がくれた最高の飲み物だと思って、必死に彼は飲み干した。
 彼をひどい目に遭わせた少女達の人数は3人。そして、今3人分の排泄物を全て飲み干した。もう、これ以上変なものを口にすることはないだろう。尿を飲まされたショックよりも、これ以上口にしなくて済むという安堵感の方が今の彼には大きかった。
 しかし、その彼の気持ちは裏切られた。全て出し終わったはずなのに、彼の口の奥へとかかる便座に乗った重量は、軽くなる気配は全くない。つまり、まだ彼女は便座に座っているのだ。不安が彼の頭をよぎり始めた頃、
   ぶーーっ!
 という豪快な音が彼の視界をさえぎる便器の上から聞こえてきた。その直後、強烈な匂いが強制的に開かれた彼の口を経由して、彼の鼻に襲い掛かった。あまりの悪臭に、彼はこの臭いが彼女の体の中から発せられたものとは信じられなかった。
 自分もおならをすることがあるし、体調によってはかなり臭い時もある。しかし、彼女の臭いは、自分の一番ひどい時を上回るほどだ。漏斗状になっている便器のために臭いが濃縮されて強烈になったせいもあるが、それにしてもこの臭いは耐えれれない。鼻をつまむことすら許されない彼は、一人涙した。

 しかし、これだけでは終わらなかった。再び、
   ぶっ、すーーっ!
 という音がして、第二波の臭いが襲ってきた。そして、彼の不安はついに的中した。
「うー。」
 と彼女がきばる声がして、おぞましい固形物が強制的に開かれた彼の口の中へと送りこまれた。
『まさか大きいほうまで…。』
 彼は頭の中が真っ白になった。だが、現実は容赦しない。姿形を見ることはできないが、彼女の排泄物は固くて太く、それなりの長さがある。そして、臭いはさっきのガスなど比べ物にならないほどの悪臭を放っていた。
「うっ、うーん。」
 大きな塊の後に、おまけのように2,3個の小さな塊を落とすと、彼女はようやく立ち上がった。
「よかった。ちゃんと出て。最近便秘気味だったから。」
 彼女は一人つぶやくと、今度はしゃがみこんで彼の顔を見下ろした。
「どう?あたし達3人のおしっこと、あたしのうんち。あたし達みたいな美少女のを食べられるなんて、幸せね。醜いあんたもこれを食べると、あたしみたいにきっときれいになれるよ。うふふ、ちゃんと残さず食べてね。」
 彼女はそう言って微笑んだ。

 だが、明らかに体に悪い汚物は喉を通ろうとしない。大きな塊は先端部分がやや固めでざらざらした感じで、先端部分以外は表面がぬるっとしたゴムのような感触だった。臭い、味、歯触り、全てのものが彼女の汚物を拒絶していた。
「何よ?食べないの?失礼しちゃう。」
 食すのをためらう彼に、絵梨佳は不機嫌になる。
「何としてでも食べてもらうわ。」
 絵梨佳は再び手袋をはめると、彼の口にさしこまれた簡易便器をどかした。そして彼の口からはみ出していた汚物を、靴で踏みつけて口の中へと押しこんだ。全部口の中へ押しこむると、すぐにガムテープで彼の口をふさいでしまった。
「うぐぐ…。」
 苦しさのあまり、彼がうめき声を上げる。両手を縛られている彼は、ガムテープをはがすことができない。彼に残された道は、口いっぱいの大便を胃袋の中に収める以外にない。
 唾液により溶け出した汚物の一部が喉を通り、胃袋へと到達する。しかし、彼の胃袋は汚物に拒否反応を示し、胃液を逆流させた。しかし、ガムテープで口がふさがれているので、逆流した胃液は口の中に詰まった汚物を溶かし、溶けた汚物とともに再び喉を通り胃袋へと戻っていった。新たに流入した汚物に、彼の胃液は再び逆流をはじめた。
 胃液の一部が彼の鼻へと流れ込み、酸の匂いと汚物の臭いが混じりあい、この世の物とは思えないような悪臭が直撃した。生理的に耐えられなくなった彼は、目から涙を流し、鼻からは鼻水を流した。しかし、その惨めな姿は、絵梨佳の笑いを誘うに過ぎなかった。
「面白〜い。苦しんでるんだ。そうだ、晶子と彩美にも見せてあげよう。」
 絵梨佳は、外に出ていた晶子と彩美を呼び寄せた。

 3人の少女達が見守る中、溶けた便と胃液、そして先ほど飲みこんだ尿が混じったものが彼の胃袋と口の中を何度も往復した。彼の喉は荒れ、味覚も嗅覚も完全に麻痺してしまった。だが、そんな彼の苦しみなど少女達にわかるはずはない。
「鼻水や涙を流して、汚い!」
 というのが彼女達の感想だった。

 やがて、彼の胃袋も運命には逆らえないとわかったのか、ようやく汚物を収めてくれた。おしっこの時とは比べ物にならないほどの苦しみである。もし3人分の大便を強制的に食べさせられたら、それだけでも死んでしまうかもしれない。彼の恐怖と苦しみはそれほどのものだった。
 彼が一息つくのを待って、ようやく晶子が口を開いた。
「しかし、すごい臭いだね。こんな強烈な臭いのを食べたなんて信じられないよ。」
「晶子ったら失礼ね。あたしみたいな美少女が出してあげたのよ。こいつにとってはすごく良い香りのはずよ。」
「はい、はい。」
 絵梨佳の自己中心な論理に晶子はうなずく。
「あの、もし、本当にこの人が便を食べたのなら、吐かせないとまずいですよ。ひょっとしたら病気になって死んじゃうかもしれませんし。」
 彩美が心配そうに言う。
「大丈夫。病気になる前に始末しちゃえばいいんだから。ねっ!」
 絵梨佳はそう言うと、呪文を唱えた。哀れな男は再びこびとにされてしまった。
「楽しかったわ。じゃあね!」
 絵梨佳はこびと男を踏み潰した。潰された彼は、絵梨佳の靴の裏にくっついてしまった。

「ちょっと、絵梨ちゃん。踏み潰したの?」
 晶子が目を丸くする。
「死なない呪文をかけてあるから、まだ生きているよ。あたしがそんなこびとを踏み殺すなんて残酷なことするわけないじゃん。踏み殺すのは晶子が得意でしょ。」
「えー?また、あたし?」
 晶子が顔をしかめる。
「それより絵梨佳さん、『今日一日言う事を聞いたら助けてやる。』という約束はどうなったのでしょうか。」
 彩美が口を挟む。
「いやだ、彩美ったら。あたしはそんな約束してないよ。『言う事を聞いたら人生を決めさせてやる。』と言っただけで。」
「絵梨ちゃん、つまり、どういうこと?」
「だからね、晶子、このまま病気になるかもしれないと思いながら靴の裏で潰され続けるのと、踏み潰されて解放されるの、どっちが良いか選ばせてやるつもりよ。」
「絵梨ちゃん、それひどすぎ。」
「いいから、いいから。そんなことより、そろそろ外に遊びに行こうよ。」
 絵梨佳は、自分達が使用した簡易便器を処分すると、晶子と彩美をせかすようにして地下室から外に出た。

「あー、お日様の光が明るくていいね。」
 そうやって体を伸ばす絵梨佳の靴の裏では、先ほど大便を食べされられたこびと男が踏み潰されていた。
「おいしいデザートの店知ってるんだけど、行かない?」
「いいねえ、行こうか。」
 晶子が言う。この切り替えの早さが晶子の性格だ。3人は門の外へと歩きだした。絵梨佳が一歩一歩足を踏みしめるたびに、彼は踏み潰される苦しみを受け続けた。
 門を出たところで絵梨佳が立ち止まって呪文を唱える。呪文を唱えると、絵梨佳の靴底から彼がはがれ落ちた。地面に落ちた彼の体は、紙のように平たい状態から徐々に三次元形状を取り戻していく。
「あたしの家の庭が汚れるといやだから、外でやってね、晶子。」
 晶子にウインクしてから、絵梨佳はしゃがみこんでこびとを見つめる
「もうこれ以上、苦しい思いはしたくないでしょ。」
 絵梨佳に言われて、彼はうなずいた。
「じゃあ、楽にしてあげるね。」
 絵梨佳は立ちあがって、晶子に合図を送る。
「全く、面倒なことはいつもあたしなんだから。」
 文句を言いながら、晶子は彼を踏み潰した。少女達のお仕置きに耐え続けた彼の、あっけないまでの哀れな最期だった。晶子は、彼の残骸の形がなくなるまで踏みにじった。
 その様子を見て絵梨佳が言う。
「やっぱり、最後に頼りになるのは晶子よね。ストレス解消になったでしょ?」
「まあね。」
 晶子が答える。
「私は、あんまり…。」
 と、彩美。
「あたしは楽しかったよ。3人で楽しめたし。」
 絵梨佳が言う。
「さて、気分を変えて、おいしいデザート食べに行こうか。」
 絵梨佳を先頭に3人の少女達は歩き出した。
 彼の生きていた唯一の証であった赤茶けたシミだけが、アスファルトに残されていた。

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